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第 371 回 東京レントゲンカンファレンス[2016年10月27日]
症例3 50歳代 男性 : 両下肢のしびれ
孤立性形質細胞腫
solitary plasmacytoma


 形質細胞腫/多発性骨髄腫

•形質細胞系列の単クローン性腫瘍性増殖を基礎とする疾患。
•国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group:IMWG)による診断規準に基づいて診断される1)

骨の弧立性形質細胞腫Solitary Plasmacytoma of Bone
・血清and / or 尿にM 蛋白を検出しない(少量を検出することがある)。
・クローナルな形質細胞の増加によるただ1 カ所の骨破壊
・正常骨髄
・病変部以外は正常な全身骨所見(X 線およびMRI)
・臓器障害がない

形質細胞腫
胸腰椎に好発する。
・IL6を産生し骨粗鬆症→圧迫骨折を呈する。
・進行すると、打抜き像、地図状の骨破壊像、膨隆性腫瘤像、骨外軟部腫瘤などの多彩な溶骨性の骨病変が認められる。
・骨皮質を骨髄側から侵蝕し、病的骨折を起こしやすい。
・脊椎では、骨転移は椎弓根を好んで侵すが、形質細胞腫/骨髄腫では赤色髄に乏しい椎弓根が保たれることが多い。
・CTは、単純X線写真では検出できない骨梁や骨皮質の微細な骨病変を鮮明に描出することができ、特に脊椎ではMPR矢状断像が有用である。
・MRIのT1強調像で低信号、T2強調像およびSTIR像で高信号を示す病変として認められる。
・骨破壊後のストレスから骨皮質や骨梁の肥厚を呈し、CT/MRIで脳溝や脳回のように見えることからmini-brain appearanceと呼ばれる。
・形質細胞腫に特異的な画像所見とされる2)

 

 Take Home Message

・胸腰椎の打ち抜き像や地図状骨破壊を認め一方で椎弓根が保たれている場合、本疾患を疑う。
・Mini-brain appearanceが特徴的画像所見。

 

 


参考文献

  1. 国際骨髄腫財団 監修『多発性骨髄腫 患者の手引き』
  2. Nancy M. Major et al. The “Mini Brain”:Plasmacytoma in a Vertebral Body on MR Imaging. AJR 2000 Jul; 175(1): 261-3