褐色脂肪腫 hibernoma |
所見まとめ |
・後腹膜に存在する病変
・周囲組織との境界は明瞭
・CT:内部は皮下脂肪より軽度高吸収、辺縁は中心部よりやや高吸収
・MRI:内部は皮下脂肪より軽度低信号、辺縁は中心部より低信号
・辺縁を主体に軽度の造影効果
・拡張した血管が散在
・内部に隔壁を伴う
鑑別 |
・Liposarcoma
・Angiomyolipoma
・Hibernoma
病理 |
・黄褐色調充実性病変 |
・周囲との境界は明瞭 ・血管結合組織性の細かい隔壁に隔たれた他結節状の腫瘍細胞の増殖 ・腫瘍細胞は大小不同、小型で円形の核と豊富な多空胞状〜好酸性顆粒状細胞質を有す ・異型性に乏しい |
診断:褐色脂肪腫(hibernoma)
褐色脂肪腫(hibernoma) |
・褐色脂肪組織から発生する良性腫瘍
・発症年齢:18~52歳、平均年齢:26歳
・背部、肩甲間部、 縦隔、上腕、大腿などに好発
・腹腔/後腹膜腔 :16/170例 Furlong MA, AM J Surf Pathol 2001;25・1−24cm、平均9.4cm
・熱産生が活発なため熱感を持つことがある
−酸素需要が高く富血管性
画像所見
・境界明瞭な腫瘤で浸潤性に乏しい
・単純CT:皮下脂肪より軽度高吸収、石灰化(-)
・MRI:皮下脂肪と比較し、T1強調像:軽度低信号、T2強調像:多彩
−多空胞状脂肪細胞の割合が少ない程、脂肪組織に近い信号強度を示す
・Linear septa
・prominant vessel
・FDG−PETでSUV1.9−26.7→極めて高いSUV値はhibernomaを示唆
まとめ |
・後腹膜腔の脂肪を含有する腫瘍
−腫瘍内の拡張した血管、隔壁(+) ⇒ hibernomaも鑑別に含め、PET-CTを考慮
参考文献
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