 
  
| 類骨骨腫 osteoid osteoma | 
  
| 鑑別診断 | 
(症候)側弯+疼痛 
(画像)L5下関節突起の13mm大の結節+周囲の炎症性変化 
・類骨骨腫 
    ・骨芽細胞腫 
    ・慢性骨髄炎 
| 画像所見まとめ | 
単純写真 
・胸椎での右凸側彎(腰椎での左凸側彎)。 
・L5右下関節突起が対側より太く、骨濃度が上昇している。 
CT 
  ・L5右下関節突起に内部に点状の石灰化を伴う13mmの低吸収病変を認める 
  ・病変周囲の骨に硬化性変化を伴う 
MRI
  ・L5右下関節突起に13mmのT1WI中間信号/T2WI低信号病変を認める。 
  ・同病変を中心に頭尾側にSTIR高信号/Gd造影増強効果が広がる。 
| 類骨骨腫 Osteoid Osteoma | 
・良性の原発性骨腫瘍で、骨産生性を示す。 
・10歳代に好発する。男:女=2-3:1。 
・2cm未満。これより大きい場合は骨芽細胞腫。 
・小さくても周囲に著しい反応性変化を起こす。 
       骨:骨髄浮腫、骨硬化 
       軟部組織:腫脹、浮腫 
・10%程度が脊椎に発生する。 
・腰椎(59%)>頸椎(28%)>胸椎(12%)>仙椎(2%)
・脊椎の後方成分に多く発生する。
・脊椎症例では、 
      70%に側彎:病変と反対側に凸 
      稀に歩行障害、筋萎縮、斜頸などがみられる  
[治療] 
    ・内科治療のみで長期コントロールできる例も多い。 
    ・コントロール不良であれば手術 
      :全摘が基本で、残存病変があると再発する。 
      :CTガイド下での経皮的治療もある。 
    ・自然消退した症例の報告も散見される。 
画像所見 
    ・中心部(Central nidus)と周囲(Reactive zone) 
    ・単純写真 
      ・Central nidus:同定は困難 
      ・Reactive zone:骨の肥厚や骨濃度上昇 
    ・CT
      ・Central nidus
        :境界明瞭な低吸収域 
        :内部に点状石灰化 
      ・Reactive zone 
        :骨硬化、骨肥厚 
        :軟部組織腫脹、液体貯留 
    ・MRI
      ・Central nidus
        :T1WI低信号、T2WI/STIR低〜高信号
        :著明な早期濃染 
      ・Reactive zone(かなり広汎) 
        :T1WI低信号、T2WI/STIR高信号 
        :漸増性で強い造影増強効果 
    ※MRI単独ではReactive Zoneが目立ち、Central nidusが視認できないこともあり、腫瘍や感染などと誤診しやすい。 
  
| Take Home Messages | 
・疼痛性側彎は類骨骨腫のキャッチフレーズ! 
    ・類骨骨腫を疑うならCTを撮る(勧める)べき! 
    ・疼痛性側彎に『とりあえずMRI』は誤診のもと! 
参考文献