子宮広間膜ヘルニア hernia of the broad ligament of the uterus |
画像所見 |
1.子宮左側にclosed loop
2.子宮が右側に偏位
3.腸間膜の吸収値上昇
4.腸間膜血管の集簇が子宮円索尾側をくぐるように位置
➡ 絞扼性腸閉塞
➡ 子宮広間膜ヘルニア
子宮広間膜ヘルニア |
・子宮広間膜に発生した異常裂孔に腸管が嵌頓する疾患。
・頻度;内ヘルニアの約4〜5%程度。
・手術既往のない中年の経産婦に多い。
・先天的腹膜欠損、妊娠・出産や子宮操作に伴う裂傷、骨盤内炎症性疾患。
Cilley R,et.al. Am J Gastroenterol, 81:389-391, 1986
[裂孔の場所]
Type1:子宮円索尾側
Type2:子宮円索頭側 (卵巣提索、卵巣間膜、固有卵巣索含む)
Type3:子宮円索直下
[画像所見]
・子宮近傍にみられるclosed loop ➡〇
・陥入腸管による子宮、S状結腸、直腸の偏位 ➡〇
・子宮外側に向かう腸間膜血管束 ➡〇
Suzuki M, et.al. Gastrointest Radiol, 11:102-104, 1986
[鑑別疾患]
S状結腸間膜ヘルニア →Closed loop を示すループの位置が異なる。
S状結腸の背側またはS状結腸および上直腸動静脈の走行する脂肪織内
S状結腸静脈と上直腸動脈に囲まれた空間
結語 |
子宮近傍のclosed loop、腸間膜血管集簇、子宮偏位を見たら
子宮広間膜ヘルニアを鑑別にあげる。
さらに子宮円索の同定が診断の一助となりうる.
参考文献