エキノコックス症 echinococcosis |
所見まとめ |
・肝内〜肝門部に石灰化を伴う嚢胞性腫瘤
・T2WI高信号を示す嚢胞状構造の集簇
・増強効果に乏しい
エキノコックス症 |
病原体: 条虫科エキノコックス属の幼虫(包虫)
感染経路: キツネ・イヌ(終宿主)などの糞便内にある虫卵をヒトが経口摂取することによる。
・単包条虫(Echinococcus granulosus)
・多包条虫(Echinococcus multilocularis)
日本(北海道)では主に多包条虫が生息する。
(国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/338-echinococcus-intro.html)
・病巣は主に肝に形成する。ほか、肺、脳、骨 など
・潜伏期間は5-20年
肝病変が小さい初期は無症状だが、緩徐に増大し、肝腫大、閉塞性黄疸、肝機能障害などを呈する。
・診断は画像の他に血清抗体、組織診断などによる。(生検は播種のリスクがあり、原則行わない)
特徴
・壁の石灰化を伴う嚢胞
・内部はT2WI等〜高信号
・嚢胞の増強効果なし
治療
・外科的切除
・albendazoleなどの駆虫薬内服
(AJR Am J Roentgenol 176: 1207-12)
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出身地に注意(現住所ではわからない)
参考文献