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| 画像所見 | 
| 単純写真(Stenvers法) | Key image | ||
|  |  | ・乳突部主体の骨破壊病変 ・骨膜反応なし ・骨迷路は保たれている ・造影効果あり ・頭蓋内進展なし | 
| 小児の側頭骨腫瘍の鑑別 | 
・横紋筋肉腫
  ・転移性腫瘍(神経芽腫など)
  ・ランゲルハンス細胞組織球症
  ・線維性骨異形成
  ・真珠腫
  ・コレステリン肉芽腫
横紋筋肉腫
   〇年齢
   〇固形腫瘍・内部性状
   △サイズの割に周囲組織の破壊や浸潤(硬膜浸潤や頭蓋内進展, 骨膜反応など)が目立たない
ランゲルハンス細胞組織球症
   〇年齢
   〇固形腫瘍・内部性状
   〇骨膜反応なし. 周囲組織浸潤の所見に乏しい。
*ただし、横紋筋肉腫とランゲルハンス細胞組織球症の画像所見は類似しやすい。
| その他の鑑別 | ||
| 神経芽腫などの転移
 | 線維性骨異形成
 | 真珠腫
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当院の画像診断:
  頭蓋内などの浸潤傾向が乏しい
  → ランゲルハンス細胞組織球症 > 横紋筋肉腫 か?
  → 左乳突洞より生検施行
病理診断:ランゲルハンス細胞組織球症
| 側頭骨ランゲルハンス細胞組織球症 Temporal bone Langerhans cell histiocytosis | 
| ・異常増殖する樹状細胞による1個以上の全身臓器への浸潤。 ・症状は難聴、耳漏、めまい、中耳炎や外耳炎、顔面神経麻痺、側頭部腫脹 など ・10歳までに発見される事が多いが、成人例もある |  | |
| 画像所見 | ||
| ・境界明瞭で骨膜反応を伴わない骨吸収像 ・均一な造影増強効果 ・頭蓋内進展は少ない ・両側性に発生することもある ・横紋筋肉腫(RMS)と比較し、錐体尖部発生が少なく、骨迷路破壊も少ない | 
| 考察・結語 | 
・小児の側頭骨腫瘍の鑑別としてランゲルハンス細胞組織球症と横紋筋肉腫は重要な鑑別疾患である
  ・骨膜反応がない、周囲組織浸潤が乏しい、錐体尖部由来でないといった所見は鑑別に有用かも知れない
参考文献 
  
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