POEMS 症候群 POEMS syndrome |
【現病歴】 ・右手脱力と巧緻運動障害 ・脳梗塞 ・両側の足先から痺れ ・大腿部痛と腰痛 |
【身体所見】
・浮腫 ・四肢の末梢神経障害 |
【血液検査】 ・多血症 ・IgG高値 ・甲状腺機能低下症 ・腫瘍マーカー上昇なし |
画像所見 |
【CT 】 |
・多発骨硬化像
・心嚢水 ・胸水 |
【頭部MRI:拡散強調像/FLAIR/MRA】 |
・新鮮梗塞 ・硬膜肥厚 ・多発脳動脈狭窄 |
その他の画像所見・・・
腹水、多発リンパ節腫大、皮下浮腫
肺気腫(これは喫煙が原因だろう)
いずれも非特異的所見
前立腺MRIは異常なし
入院後の経過
・血清免疫電気泳動検査:IgGモノクローナル様変化 →M蛋白血症
・骨髄生検:形質細胞の増加
・両下腿の色素沈着が出現
POEMS症候群
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P:Polyneuropathy (多発神経炎)
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・形質細胞の単クローン増殖
・血管内皮増殖因子(VEGF)が増加 → 本例でも高値
VEGFには強力な血管透過性亢進、血管新生作用あり
・浮腫、心嚢液、胸腹水
・皮膚の色素沈着、血管腫
・末梢神経障害 → 血管神経関門が破綻、毒性物質が神経におよぶ可能性
➀骨病変 | ||
98%で 骨病変あり | 硬化 97% 融解 2% 混合 1% |
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→ VEGFが骨芽細胞前駆細胞の分化を促進か |
甲状軟骨の硬化像に関して─
軟骨組織への転移は非常に稀(血流やリンパ流が無い)
軟骨骨化が起こる→髄腔が形成、血流出現→血行性転移
➁頭蓋内病変
脳梗塞の発症率:13%/5年 と高い
VEGFが血管平滑筋細胞と髄膜皮細胞に強く発現 → 血管狭窄硬膜肥厚 過粘調症候群も関連?
治療
・標準的治療法は未確立
・多発性骨髄腫に準じた治療
・自己末梢血幹細胞移植やサリドマイド療法も行われる
本例: BD療法(ボルテゾミブ+デキサメタゾン)が8サイクル終了、経過は良好
Take Home Messege
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原因不明の多発骨硬化像をみた場合には POEMS症候群も鑑別に挙げる
参考文献
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