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第 393 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年6月27日]

症例1 40歳代 男性:意識障害
マルキアファーヴァ・ビニャミ病
Marchiafava-Bignami disease

 

 Marchiafava-Bignami disease(MBD)

・慢性のアルコール多飲者に生じる。
 病理学的には脳梁の脱髄と壊死を特徴とする1)
・1903年にマルキアファーヴァとビニャミによって3例の剖検所見が報告された2)
1)中村 祐貴ら 臨床神経 2016
2)黒田ら BRAIN and NERVE 2014

MBDの脳梁病変
急性期には
・T1WI低信号/T2WI高信号/DWI高信号
・ADCは低下、上昇どちらもある
・CT低吸収
病変は脳梁の中間層に限局し、上下層は障害を免れる傾向にある(sandwich sign)
慢性期には脳梁は萎縮

MBDの脳梁外病変
・脳室周囲白質、内包後脚を含む大脳深部白質、皮質/皮質下白質、被殻、中小脳脚や中脳大脳脚など多部位にわたる。
・皮質病変は、中心前回を含む前頭葉をおかす事が多い。
・脳梁外病変もほぼ両側左右対称性であることが多い。

アルコール非関連MBD?
アルコール飲酒歴のない、栄養障害、糖尿病症例において、MBD類似の脳病変が急性に出現した報告例もいくつかある。
が…真偽不明

Ears of the lynx(山猫の耳)
脳梁膝から小鉗子への線維
放線冠前部の線維との境界領域が拡大
 (*その他、遺伝性痙性麻痺でもみられる所見)

 


 結語

大酒家+意識障害+脳梁病変 →“Marchiafava-Bignami disease”

 


参考文献

  • 中村祐貴ら 血管原性浮腫の関与が示唆された Marchiafava-Bignami disease の 1 例 臨床神2016;56:17-22
  • 黒田岳志ら マルキアファーヴァ・ビニャミ病の画像診断  BRAIN and NERVE 66(9):1079-1088,2014
  • A. Nalini et al. Marchiafava-Bignami disease: Two cases with magnetic resonance imaging and positron emission tomography scan findings Neurology India | Sep-Oct 2009 | Vol 57 | Issue 5
  • Sisira Y et al. Marchiafava-Bignami Disease in a Nonalcoholic Diabetic Patient Case Reports in Neurological Medicine Volume 2013