第 393 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年6月27日]
症例7 40歳代 男性:2年前から進行する記銘力障害 |
神経梅毒 neurosyphilis |
鑑別疾患 |
認知症+側頭極の T2WI 高信号
1.神経梅毒
2.CADASIL
3.CARASIL
4.ALS-D
5.筋緊張性ジストロフィ
6.前頭側頭葉変性症
7.CARASAL
柳下章、神経内科疾患の画像診断、第2版、p.123
梅毒 syphilis |
Treponema Pallidum
慢性・全身性感染症
梅毒の自然経過
早期神経梅毒
無治療患者の25%
大半が無症候性
髄膜・脳神経炎
眼症状
晩期梅毒へ移行
Golden MR. JAMA 2003 09;290(11):1510-1514.
神経梅毒 neurosyphilis |
進行麻痺
脊髄癆
視神経炎
中枢神経ゴム種
進行麻痺
精神神経症状・運動麻痺
男性 >> 女性、平均 44.9歳(28~66歳)
発症から診断まで2~6ヶ月
大脳萎縮
皮質・皮質下・側脳室周囲T2WI高信号
前頭葉~側頭葉皮質下多発性FLAIR高信号
側頭葉内側部T2WI/FLAIR高信号
→ ヘルペス脳炎や辺縁系脳炎との鑑別も
神経梅毒の SWI 所見
前頭側頭葉皮質のSWI低信号
ペニシリン治療後に改善
活性化されたミクログリアの鉄沈着を反映?
Pesaresi I, et al. Sex Transm Infect. 2015;91(7):489-492.
まとめ |
若年〜中年男性
月単位〜半年単位で進行する精神神経症状
両側前頭葉・側頭葉萎縮と皮質下白質T2WI高信号
→ 神経梅毒を鑑別に挙げる
鑑別や治療効果判定に、SWI が有用な可能性がある
参考文献