●症例 5 60歳代 男性 |
主 訴:低血糖発作 現病歴:手の震え、冷感を認め、糖分摂取にて軽快していた。酒量が増え、上記症状も瀕回となり当院神経内科受診。 既往歴: 十二指腸潰瘍にて膵頭十二指腸切除術 食道癌にて胸部食道全摘 術後癒着性イレウス解除術 入院時検査成績:WBC6000,T.P 6.1,T.Bil 0.3,GOT 32,GPT 30,LDH 569,Glu 86,T-Cho 192,IRI 3.5,CPR 4.5 |
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腹部CT(単純・動脈相・遅延相) 膵尾部に径1cm大の境界明瞭なlesionを認める。単純CTで膵とほぼ等吸収、early phaseで著明にenhanceされ、delayed phaseで膵と等吸収を呈している。 |
腹部CT(単純・動脈相・遅延相) 肝S5に径4cm大の不整形のLDAを認める。造影後early phase では、辺縁がわずかにenhanceされS5に著明なA-P shunt を伴っている。delayed phaseでは辺縁が淡くenhanceされている。主病巣周囲に数mm〜1cm大のenhanceに乏しいLDAも散在する。 |
CT-angiography
(CTHA CTAP) CTHAでは、病巣はenhanceに乏しいにもかかわらずS5に著明なA-P shuntを認める。 CTAPでは、A-P shuntによりS5がdefect像を呈している。 |
SPIO-MRI(PDWI) 膵尾部には、膵より低信号を呈する1cm大の病変を認める。肝S5には、不整形の分葉状の高信号を呈する病変を認める。A-P shunt の認められたS5の肝実質にはSPIOが取りこまれ、S6と比べごく淡く高信号となる程度である。 |
Angiography
(celiacA) 腹腔動脈造影では、A5にencasement や血管増生はみられない。動脈相から平衡相にかけて楔状の染まりを呈しA-P shuntと考えられ。 |
Angiography
(transverse pancreatic A) 背側膵動脈から横行膵動脈の造影にて、平衡相で膵尾部にtumor stain をみとめる。 |
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Moderator:佐々木真弓 |
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