●症例 2  60歳代 女性

現病歴:健診にて胸部異常陰影指摘された。半年前より,左胸部痛がある。
入院時検査所見:
  
ESR: 67mm/hr 亢進
  腫瘍マーカー;NSE 20上昇(10)
●提示画像(画像をクリックすると拡大された画像がみられます)
胸部単純写真(正面)

1)左肺門部の約8×6cmの腫瘤影
 肺野の血管が透亮でき (hilum overlay sign 陽性)下降大動脈の陰影は追えるが (シルエットサイン陰性)、心辺縁との境界は追えない (シルエットサイン陽性)。
2)左横隔膜が挙上し、
3)左C-P angleがdull で、胸水の存在が疑われる。
胸部単純写真(側面)

腫瘤は胸骨後腔をしめており、前縦隔腫瘤と考えられる。
胸部CT
NECT  CECT
1)造影CTにて肺との境界部にrim様の造影を認める→atelectasis?明らかな石灰化は認めない
2)縦隔リンパ節腫大なし。
3)少量の左胸水を認める。

胸部MRI
T1W-Ax  T2W-Ax

T1W-Cr  T2W-Cr

T1W-Sg
T1Wで筋肉とほぼ等信号、T2Wで筋肉とほぼ同等からやや高信号の腫瘤内部信号は不均一
CT同様、縦隔と広く接しているがCr像にて大血管への明らかな浸潤は見られない。(Sg像ではT1W-hyperintensityも見られる。)

胸部血管撮影
左内胸動脈 正面  左気管支動脈 正面

左内胸動脈 左側面  左気管支動脈 左側面

左肺動脈 正面  左肺動脈 側面
1)左内胸動脈、左気管支動脈の両方からfeedingを認める。
2)側面像では、左内胸動脈から腫瘍の上腹側に左気管支動脈から腫瘍の下背側にstainがみられる。
3)左肺動脈造影では、腫瘍部に一致してdefect が見られる。

 
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moderator : 豊田真規子



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