症例 8:40歳代 男性
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診断:
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Progressive multifocal leukoencephalopathy(PML)
進行性多巣性白質脳症
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AIDS発症のマーカーとなる疾患
・真菌症:
カンジタ症、クリプトコッカス症、コクシジオイデス症、ヒストプラズマ症、
ニューモシスティス肺炎
・原虫症:
トキソプラズマ脳症、クリプトスポリジウム症、イソスプラ症
・細菌感染症:
化膿性細菌感染症、サルモネラ菌血症、活動性結核、非定型抗酸菌症
・ウィルス感染症:
サイトメガロウィルス感染症、単純ヘルペスウィルス感染症、進行性多巣性白質脳症
・腫瘍:
カポジ肉腫、原発性脳リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸癌
・その他:
反復性肺炎、リンパ性間質性肺炎、HIV脳症、HIV消耗性疾患
Progressive multifocal leukoencephalopathy (PML)
・腎に不顕性感染しているJC virus が免疫能の低下時に、脳実質に感染し、発症
・oligodendroglia内のvirusが増殖し、多発性の脱髄巣
・悪性腫瘍、自己免疫性疾患、ステロイ使用ド、AIDSの症例で多い
・症状:神経巣症状
・髄液検査 (JC virus: PCR法)で診断可能
・治療法
有効なものはなし
AIDS症例:HAART療法
PMLの画像所見
大脳白質に斑状、融合性の病変:皮質下白質にも分布(scalloped appearance)
多くは両側性、非対称性
時に小脳、視床、基底核、脳梁に病変
造影効果は通常見られない
mass effectは乏しい
MRI拡散強調像で時に高信号
Ohta K, et al. J Neurol 2001.
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経時的変化 左5/30 右6/20
・拡散強調像上、中心部は経時的に低信号化
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PMLの亜型
Inflammatory PML (immune reconstitusion inflammatory syndrome)
免疫状態が改善後に見られる
症状は(classical) PMLと同様
画像所見:分布等は(classical) PMLと同様
造影効果、時に軽度mass effect
JC virus infection of cerebellar granule cell neuron
小脳症状
画像所見:小脳萎縮 大脳白質病変は認めない
JC virus meinigitis
非特異的なmeningitis
Igor J, et al. Ann Neurol 2006.
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Moderator:石亀 慶一
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