Solid pseudo-papillary neoplasm of the pancreas(SPN) |
所見のまとめ | CT | 膵体部に径 48 x 55mm大の腫瘤性病変 |
MRI | T1WI 辺縁に高信号 内部は等信号、一部に高信号が混在 |
PET-CT |
病変に集積なし |
マクロ病理 |
・膵体部に 4.7 x 4.3 x 7.2cm大の嚢胞性病変 |
ミクロ病理 |
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HE X 40 |
HE X 200 |
CD10染色陽性 |
Chromogranin A (-) |
弱拡大像
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SPNについて
・1959 Frantz が比較的予後良好な膵腫瘍として報告
・分化方向不明な上皮性腫瘍
・主訴:腹痛、無症状、腹部腫瘤
・若年女性に好発(男女比 約 9:1)
・高齢者ほど悪性例が多い
・再発率 5.3%(肝転移が多い)
・10年以上経過しての再発もあり
・治療:手術が第一選択
・β-catenin(免疫染色)が診断に有用との報告あり
SPNの画像的特徴
・充実成分と嚢胞成分の混在した膵腫瘤性病変
・石灰化した被膜を有することが多い
・内部の出血性壊死を伴うことが多い
・hypovascularity〜hypervascularity
・MRI T1WI高信号、T2WI低信号〜不均一信号(出血を反映)
<鑑別>膵内分泌腫瘍、粘液性嚢胞腫瘍、腺房細胞腫瘍、仮性嚢胞、脾動脈瘤など
男性SPNについて
・嚢胞成分のない症例が多い(=変性はない/緩徐に進行) →典型的な偽乳頭構造/嚢胞変性を呈しにくく膵島細胞と鑑別が困難
・膵被膜/膵実質への浸潤が多い *予後との相関性はない
・発症年齢が高い(男性 38.9歳 女性 28.1歳)
・腫瘍径は小さい(男性 6.9cm 女性 8.0cm)
参考文献
(1)Solid-pseudopapillary neoplasms of the pancreas in men and women: do they differ ? Yu Takahashi et al. Virchows Arch (2006) 448:561-569
(2)Detection of a Solid Pseudopapillary Tumor of the Pancreas With F-18 FDG Positiron Emission Tomography; Jong-Kang Lee et al. Clinical Nuclear Medicine Volume 30, Number 3, March 2005
(3)健診にて発見された膵 solid-pseudopapillary tumorの1男性例ー本邦報告例の検討ー 栗山直久しら; 日本消化器外科会誌 38(1) : 86〜91, 2005年
(4)成人男性にみられた膵臓のsolid psuedopapillary tumorの一例 渡辺一輝ら ; 日本消化器外科会誌 39(3) : 347〜351, 2006年
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