眼窩内骨膜下血腫 intraorbital subperiosteal hematoma |
背景疾患として サルコイドーシス
臨床診断群として、
・全身反応を示す検査所見:肺・心臓
・サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見:ツベルクリン反応陰性、Gallium-67 citrateシンチグラムにおける著明な集積所見
以上の項目が該当し、診断基準を満たした。
心不全は心サルコイドーシスによるものであった。
精査のカテーテル検査 = 心筋生検 → 右室穿孔 → 心タンポナーデ
画像 |
▼ 眼窩部単純CT (カテーテル検査3日後) |
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・骨直下に紡錘状・凸レンズ型を示す
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・凸レンズ型の形状がよく分かる |
所見のまとめ |
・局在:両側眼窩、筋円錐外、骨に接して
・形状:紡錘状・凸レンズ型
・内部の性状:均一、高吸収(CT値:80HU)
急性発症(心タンポナーデ後の)
▼ CT(3日後/9日後/1ヶ月後) |
・9日後:血腫は大きさはほぼ同じ、吸収値は低下 |
眼窩病変の診断は? …… 眼窩内骨膜下血腫
眼窩内骨膜下血腫 |
【原因】
・外傷性:最多、骨折を伴うことが多い
・非外傷性:静脈圧上昇(咳嗽・運動・スキューバ等)
・血管病変(動静脈奇形等)
・血液疾患(血友病・白血病等)
・特発性 (副鼻腔炎との関連が疑われている)
【若い男性に多い】
【部位】前頭骨側に多い
【治療】
・保存的治療:視神経圧排による視力障害がなければ
・観血的治療(穿刺吸引・血腫除去術)
今回は心タンポナーデ時の静脈圧上昇が主な原因と考えられ、ワーファリンによる易出血性も関与していたものと推測される。
筋円錐外の腫瘤性病変の鑑別疾患 |
Common Rare but Important |
Less Common |
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Take-Home Points |
・一元論に固執しない
・外傷はなくても静脈圧上昇でも眼窩骨膜下血腫は生じうる
参考文献
・AJR 2005;184:S2-S3
・JCAT 1994;18(4):549-551
・耳喉頭頚 2011;83(10):793-797
・EXPERT ddx head & neck: Orbit, 7-20
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