| 多中心性キャッスルマン病 multicentric Castleman’s disease |
| 画像所見 |
・両側肺野に多発する薄壁の嚢胞
・下葉優位の多発結節状〜斑状の境界不明瞭なすりガラス影
・小葉間隔壁肥厚
・頸部、縦隔、（鼠径部）の多発リンパ節腫大
・初回のCT時に右鼠径部からリンパ節生検が行われていた。
・その後、症状は落ち着いており経過観察されていたが、貧血の進行が出現。
・治療開始前に左肺S3とS8のVATS下肺生検が施行された。
| 病理 |
| 右鼠径部リンパ節（6年前） | ||
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| 肺S8 | 肺S3 | |
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胚中心は過形成で、胚中心間に多数の形質細胞が確認された |
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病理診断
・鼠径リンパ節
Idiopathic plasmacytic lymphadenopathy
・肺
Pulmonary lymphoproliferative disorders associated with multicentric Castleman’s disease
最終診断：Multicentric Castleman’s disease
| Castleman’s disease |
1956年に最初に報告された原因不明のリンパ増殖性疾患。形態学的にmulticentricとunicentricに分類される。
☆multicentric type
・ほとんどがplasma cell type
・全身症状（発熱や倦怠感）
・肝脾腫
・検査値の異常（貧血、CRP上昇、γグロブリン上昇、IL-6上昇）
※IL-6は病勢に相関すると言われ、本症例でも23.5pg/ml（正常<4）と著明な上昇が確認された。
病理組織学的分類
➀ hyaline vascular type（全体の90% 30-40代好発）
➁ plasma cell type（全体の10%以下 60代好発 多くがmulticentric type）
➂ mixed type
➃ human herpes virus 8-associated Castleman disease（HIV患者に発症する。予後は不良。）
Multicentric Castleman’s Disease12症例の肺野病変の検討
両側肺門部リンパ節腫大 （12/12）
リンパ節のmild~moderateな増強効果 （12/12）
境界不明瞭な小葉中心性結節 （12/12）
薄壁嚢胞 （10/12）
気管支血管束の肥厚 （10/12）
小葉間隔壁肥厚 （9/12）
Honey comb lung、肺構造のdistortion、胸水、気腫性変化はみられなかった
本症例はステロイド投与を開始し現在病勢は安定している。
参考文献
・Radiographics.2011 Oct ; 31(6):1793-807. Castleman disease: the great mimic. Bonekamp D , Horton KM , Hruban RH , Fishman EK
・Radiology. 1998; 209: 477-481
Intrathoracic multicentric Castleman disease: CT findings in 12 patients.
T Johkoh, NL Müller, K Ichikado, N Nishimoto, et aｌ.
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