シャルルヴォア・ザクネ型痙性失調症 ARSACS autosomal recessive spastic ataxia of Chalevoix-Saguenay |
画像所見のまとめ |
・中脳被蓋や橋被蓋、上部小脳優位の小脳萎縮、大脳半球、脳梁体部の軽度萎縮
・橋外側〜中小脳脚の淡い高信号
・橋底部の層状低信号
・視床外側の線状高信号
診断
本人未実施であるが、弟は遺伝子検査でSACS遺伝子に変異
シャルルヴォア・ザグネ型痙性失調症
ARSACS
<Autosomal Recessive Spastic Ataxia of Chalevoix-Saguenay>
シャルルヴォア・ザグネ型痙性失調症 ARSACS |
・1978年にカナダのケベック州(シャルルヴォア・ザグネ地方)で報告
・シャペロンタンパクであるサクシンをコードする:SACS遺伝子変異による、遺伝性(常染色体劣性)の神経変性疾患
・国内では山梨・新潟・栃木・秋田など10家系以上の報告
・常染色体劣性遺伝型SCD(SCDの2%)で2番目に多い
・本邦の発症年齢は平均5.4歳、ケベック例ではより早期
・【ケベック例】痙性失調症、構音障害、眼振、四肢遠位筋萎縮、手足変形、網膜有髄線維増生
【本邦】上記と同様ではあるが、非典型的所見を呈することもある
・時に脳性麻痺と誤診されることがあり、注意が必要
検査・神経学的所見など
・血液検査や髄液検査では異常なし
・病理学的特徴は小脳プルキンエ細胞の消失
・運動・感覚(特に深部覚)末梢神経障害
・四肢腱反射亢進(アキレス腱反射は消失)、病的反射
・神経伝導検査:感覚神経優位の軸索性neuropathy
・典型的には知能は正常だが、本邦では低下例も多い
・治療: 抗痙縮薬、抗コリン薬、リハビリテーション
画像所見
・早期から小脳虫部の上面優位な萎縮
・橋底部の層状低信号(横走線維の高信号による相対的な低信号?)
・橋外側〜中小脳脚の高信号
・視床外側縁の線状高信号
・脳梁体後部の菲薄化
・脊柱の生理的弯曲の消失”straight dorsal spine”
・鑑別:特に小脳に高度萎縮を来すSCD
画像所見 ・早期から小脳虫部の上面優位な萎縮 ・橋底部の層状低信号(横走線維の高信号による相対的な低信号?) ・橋外側〜中小脳脚の高信号 ・視床外側縁の線状高信号 ・脳梁体後部の菲薄化 ・脊柱の生理的弯曲の消失”straight dorsal spine” ・鑑別:特に小脳に高度萎縮を来すSCD |
◀ 症例提示へ戻る | 画像をまとめて見る…PDF |