筋肉内多発血腫 multiple intramuscular hematoma |
画像所見まとめ(3週後f/u時) |
・左下腿〜足部の筋肉内に多発する腫瘤
・単純CT:不明瞭
・造影CT:静脈相にかけて辺縁が徐々に造影される
・境界は比較的明瞭
・内部に血管が走行
・下腿の血流は改善傾向(CTA)
CT(3ヶ月後f/u時) |
上段:3W時/下段:3M時 |
経過 |
・下肢冷感発症時 1st CT : PAD急性増悪
→ heparin開始(APTT >150 sec)
→ 左下腿の腫張・把握痛、CK高値によりcompartment syndrome除外のため整形外科consult
→ 下腿コンパートメント圧に有意な上昇なく(前方15mmHg/外側11mmHg)保存的に加療する方針となる
→ 以降、数回圧測定を施行し経過をフォロー
・3週後f/u時 2nd CT :
左下腿に多発する腫瘤 ↔ 下腿の血流は改善
・3ヶ月後f/u時 3rd CT: 腫瘤の縮小を確認
診断:筋肉内多発血腫
(multiple intramascular hematoma)コンパートメント圧測定のための針刺入による医原性血腫!
コンパートメント圧測定 |
コンパートメントに針を直接刺入
≧20-30mmHgで臨床症状(疼痛、感覚障害など)が出現
compartment syndrome
・コンパートメント圧の上昇により阻血や組織の機能障害を生じる病態
・原因:外傷や虚血、凝固異常、動物咬傷、点滴漏れなど
・好発部位は前腕・下腿
下腿は4つのコンパートメントに分かれる → 前方、外側、浅後方、深後方
・治療:減張切開など
参考文献
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