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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第377回症例症例:呈示
第 377 回 東京レントゲンカンファレンス[2017年6月22日]
症例3 30歳代 男性
急性大動脈解離
acute aortic dissection

 

 所見のまとめ

・明らかな気胸なし
・心拡大傾向あり
・右第1弓の突出あり(矢印
     
 
上行大動脈拡大あり(最大短径 57 mm)   心嚢液貯留あり(CT値 0-20 HU)
 
上行大動脈拡大あり(最大短径 57 mm)
 
・大動脈基部からの解離(胸部Xpの右第1弓に相当、黄矢印)
・心嚢液貯留あり(赤矢頭)

 

 若年性大動脈解離の鑑別

1.マルファン症候群
  ─50歳未満の大動脈解離の60%(40歳以下では50%)
2.ロイス・ディーツ症候群
  ─50歳未満の大動脈解離の6%
3.血管型エーラス・ダンロス症候群
4.その他 ターナー症候群、多発性嚢胞腎、 動脈蛇行症候群、ヌーナン症候群、 アラジール症候群、先天性二尖弁など

本症例
・Marfan症候群を疑うような身体所見なし
・遺伝子検査は未施行であり、確定診断には至っていない

 

 Take Home Message

・若年者+胸痛→大動脈解離はあり得る
・右第1弓の突出は大動脈の場合がある
・前回画像との比較がやっぱり大事

 


参考文献

  • 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン2011年改訂版
  • Akutsu K, et al. Circ J. 2010 May;74(5):990-7.
  • Januzzi JL, et al. J Am Coll Cardiol. 2004;43(4):665-9.

 

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Moderator: 蛭間 弘光