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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第381回症例症例:呈示
第 381 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年1月25日]
症例7 20歳代 女性
肝血管筋脂肪腫 (類上皮型血管筋脂肪腫)
Hepatic epithelioid angiomyolipoma

 

 画像所見

単純+三相造影CT
・肝右葉から下方に突出する21×19×17cmの腫瘤性病変
・内部の不均一な高/低吸収域は出血や壊死を疑う
・血流豊富で充実部分に早期濃染
・以降の相では肝実質と等吸収
・圧排性発育 → 肝内胆管拡張
・被膜? → 圧排された肝実質や血管か

 

動脈相  
img ・動脈相で肝内に多発する早期濃染結節
・以降の相では同定できず(肝実質と等吸収)
   
単純+造影(EOB)MRI  
img ・out-of-phaseでの信号低下はみられない
・T2強調像では肝実質より高信号
・拡散低下ははっきりしない
   


 画像所見のまとめ

・肝右葉の充実性腫瘍。
・内部壊死、出血あり。脂肪成分はなし。
・圧排性で、浸潤は認めない。被膜(±)。
・造影効果はCT/MRIとも早期濃染し、遷延する。
・MRIで拡散低下ははっきりしない。

・肝内に多発する早期濃染結節

 

 鑑別診断

若年女性の多血性肝腫瘍
・HCC(fibrolameller HCC)
・肝血管肉腫
・肝細胞腺腫
・肝血管筋脂肪腫

 

 肝血管筋脂肪腫(AML)

・中年女性の肝右葉に単発で発生することが多い
・大部分は正常肝を背景に発生する
・血管豊富な多血性腫瘤で、脂肪成分は5-90%と 一定しない → 特に脂肪成分の少ない筋腫型が多い
・早期濃染、wash outの造影効果を呈することがありHCCと鑑別困難になることもある
・Goodman ZD, Ishak KG. Angiomyolipomas of the liver. Am J Surg Pathol 1984; 8: 745―750
・野々村昭孝他.肝臓原発 血管筋脂肪腫・PEComa の病理.診断病理 2008;25(3):155―170

 

 Epithelioid AMLについて

・AMLの稀な組織亜型
・脂肪成分が少なく、類上皮細胞の比率が高い
・画像所見は様々で、腫瘍が大きくなると出血や 内部壊死を伴う
・悪性の経過を辿る報告がある(9/97例)→ 肝内転移の可能性 → 現在はまず経過フォローアップ中

 

 

 HCC vs AML
 
・HCCが門脈系を流出血管とするのに対し、AMLは肝静脈が流出血管とされる
img
・肝静脈への早期還流を疑う所見あり

 

 


参考文献

  • Soo Yeon Lee et al.Epithelioid angiomyolipoma of the liver:a case report.Clin Mol Hepatol 2017;23:91-94
  • 田口 昌延ら.肝細胞癌と鑑別を要した肝血管筋脂肪腫の1 切除例.肝臓 2013;54 巻:479-485
  • Yoshimura H, et al. Angiomyolipoma of the liver with least amount of fat component: imaging features of CT, MR, and angiography. Abdom Imaging 2002;27:184-187
  • 野々村昭孝ら.肝原発血管筋脂肪腫・PEComa の病理.診断病理 2008;25:155-70

 

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Moderator: 藤榮 博史