眼窩静脈瘤 orbital venous varix |
画像所見まとめ |
▼ 仰臥位(前医) |
▼ 腹臥位(当院):T1WI 造影MRI / 脂肪抑制T2WI |
・仰臥位で小病変、腹臥位で膨張 ・上外側、筋円錐外、眼窩尖端方向に先細る平滑な形態 ・均一な造影だが、一部造影不良域(同部も同様に膨張している事から造影剤が未拡散なcavityの一部分と思われる)を含む ・上眼静脈と関連 |
診断:眼窩静脈瘤(orbital venous varix)/ 静脈奇形(distensible venous malformation)
眼窩静脈瘤 |
・一過性の突出が主訴
・眼窩出血(spontaneous)の一般的な原因
・20〜30代。男女同等。
・全眼窩腫瘤の1.3%未満
・2次性:CCF, intracranial AVM, dural AVF, dural venous sinus occlusion, (Blue Rubber Bleb Nevus Syndrome)
・静脈壁の脆弱性が静脈の増生と拡張に関与
・大部分は大循環と交通 → valsalva法や姿勢変化による静脈圧上昇に伴い膨張。
・ほぼ交通ない病変(少数)→ 変化せず持続的な眼球突出。
・頭蓋内の静脈奇形合併:10%
検査体位
・仰臥位
- 正常〜軽度の拡張のみで認識しづらい
・腹臥位/頸静脈圧迫/valsalva法
- 明らかな拡張、辺縁平滑
- 眼窩先端方向へ先細り、隔壁(-).
検査法
US (valsalva法下):
拡張した無エコー病変
カラードップラー:slow-flow、プローブ方向への逆流
CT:
石灰化+/—. 高吸収+不染 → 血栓
MRI:
T1WI - 低〜高信号、T2WI- 高信号、造影 - 強
ISSVA分類だと |
Rootman, J., et. al. Ophthal Plast Reconstr Surg. 2014;30:91-104. |
治療法
1. 機能低下するほどの著明な眼圧上昇
2. 強い痛み、美容上の問題 → 失明や強い痛みは出血や血栓の場合
0. 経過観察 ← 今回
1. 硬化療法(アルコール, テトラサイクリン,ブレオマイシンetc)
2. 血管内治療(コイル, NBCA, etc)
3. 手術(切除+クリップ)
4. γナイフ
鑑別診断 |
血栓が無い場合
・リンパ管奇形
・cavernous venous malformation (海綿状血管腫)
血栓がある場合
・転移
・横紋筋肉腫
・リンパ腫
・神経鞘腫、線維腫
・涙腺腫瘍
https://radiopaedia.org/articles/orbital-venous-varix
まとめ |
病歴で疑ったらvalsalva 手技や腹臥位撮影を追加する。
参考文献
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