肝炎症性偽腫瘍 inflammatory pseudotumor of liver |
画像所見 |
dynamic CT(X年1月) ▼ PET-CT |
EOB-MRI(X年2月) ▼ T2WI/DWI/T1WI pre/動脈優位相/肝実質相/後期相/肝細胞相 |
IVR-CT(X年3月) ▼ 単純CT/CTHA(早期相)/CTAP |
【画像所見まとめ】
・肝S4 HCCのTACE治療部に出現した腫瘤
・DWI著明高信号、強いFDG集積
・単純CTで淡い高吸収(→Lipiodol?)
・約1カ月の経過で腫瘤径は若干縮小(4cm→3cm大)
→ 肉腫様変性をきたした肝細胞癌疑いで手術予定
臨床経過(血液検査値推移) |
肝S4のTACE治療部再発として、X年3月腹腔鏡下左肝切除術が施行
【病理画像】 | |
マクロ画像 | ミクロ画像 |
18×10cmの肝左葉摘出検体 病変部は長径2cm大の白色充実成分 |
炎症性偽腫瘍 inflammatory pseudotumor |
・病因:感染、閉塞性肝静脈炎、自己免疫など
・病理所見:形質細胞を中心とする慢性炎症性細胞浸潤を伴う線維性腫瘤
・症状:発熱、腹痛、倦怠感、体重減少など生化学検査で炎症反応陽性を示すものが多い
画像所見
−dynamic CT(n=45)−
・単純CT:淡い低吸収域(97.6%)
・動脈優位相:淡く造影(辺縁優位)(82.5%)
・平衡相:淡くリング状に造影(77.0%)
−dynamic MRI(Gd造影、n=23)−
・T2WI:軽度高信号(76.2%)
・T1WI:低信号(86.4%)
・動脈優位相:淡くリング状に造影(77.8%)
・平衡相:淡くリング状に造影(57.1%) 低信号(21.4%)
Clinical Features, Image Findings, and Prognosis of Inflammatory Pseudotumor of the Liver: A Multicenter Experience of 45 Cases
考察
胆摘施行時に術中合併症(落石や肝損傷)の報告はなし
→ タイミング的に手術の影響が強く疑われる。TACE後の脆弱化した組織の破綻?
結語 |
・肉腫様変性をきたした肝細胞癌と紛らわしい経過を示した偽腫瘍を経験した。
・腫瘍マーカーの推移、サイズ変化などの点で非典型的な経過を示した場合は、偽腫瘍の可能性を考慮すべきである。
参考文献
|