症例 2:10歳代後半 女性

主 訴:発熱・頭痛・咳嗽
現病歴:
1月某日(第1病日)夕方から38℃台の発熱、咳嗽と鼻水があった。
第2病日、近医を受診、インフルエンザ陰性であったが、オセルタミビル(商品名:タミフル)と解熱剤を処方される。
第4病日、40℃台発熱と吐き気および咳嗽にて当院救急外来を受診。上気道炎としてセファレキシン(商品名:ケフレックス)とアセトアミノフェンを処方される。同日再診し、補液と制吐剤にて改善、帰宅。
第5病日、マイコプラズマIgMが陽転化しており、アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)を処方される。
第6病日、40℃台の発熱と頭痛および咳嗽が持続しており、入院となる。
既往歴:てんかんにて内服歴あり。現在は内服なし。
家族歴:とくになし
入院時現症:
身体所見:意識清明、ややぐったり。脱水気味、過換気気味。
・体温39.7℃ 血圧144/86  心拍数115/分、整 呼吸数36/分
・SpO2 100%(room air)
・表在リンパ節触れず 咽頭・扁桃に発赤・腫脹なし
 心雑音なし   肺雑音なし 腹部n.p.  項部硬直なし
検査所見:
・血液検査:
 WBC 3600/μL(好中球54.2%) Hb 13.4g/dL Plt 15.9万/μL
 TP 7.1g/dL ALB 4.6g/dL GOT 18IU/L GPT 9IU/L LDH 202IU/L
 BUN 12mg/dL Cr 0.6mg/dL
 Na 138mEq/L K 4.3mEq/L Cl 104mEq/L CRP <0.1mg/dL
・動脈血液ガス(room air) :pH 7.542 PaCO2 30.3torr  PaO2 146torr
 BE 4mEq/L HCO3 26mEq/L
・咽頭培養・血液培養陰性   インフルエンザ抗原AおよびB:陰性
・尿検査:潜血3+  ケトン体3+  たんぱく- 糖- ウロビリノーゲン±
 ビリルビン- 亜硝酸塩- 白血球反応-  肺炎球菌抗原陰性
入院後経過:
マイコプラズマ肺炎としてキタサマイシン(商品名:ロイコマイシン)、次いでミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)にて加療され、症状は改善傾向だが頭痛・後頚部痛の訴えが持続。

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入院時 胸部単純X線写真 立位 P-A

右下肺野で気管支陰影の増強

入院3日目脳単純MRI

T2WI・FLAIRにて、脳梁膨大部正中に楕円形の淡い高信号を認める。
T1WIでは軽度低信号。DWIでも高信号を示す。

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Moderator:戸田 一真

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