第308回　東京レントゲンカンファレンス
2008年10月16日開催
症例８　５０歳代　女性
 
  血管筋線維芽細胞腫
angiomyofibroblastoma
 

画像所見のまとめ

T2WI
・内部は低信号と高信号が混在
→強い造影増強効果(+)
・境界明瞭
・脈管



 

肉眼所見
20×19×10 cm大の皮下腫瘍
 

病理所見（割面像）
・充実性、 一部粘液豊富な領域
・拡張した血管
・切離面以外は 皮膚に覆われている
・境界明瞭
・拡張した血管

 

病理所見（組織像）
・細胞密度は高くないが，大小，
結節性に細胞成分多い
・多角形〜短紡錘形の細胞，
類円形〜やや不整な核と淡い好酸性の胞体（＋）．
多形性（−），核分裂像（−）
・ 血管が豊富
 

病理所見（免疫染色）
右上：Desmin
左下：ER
右下：Caldesmon

免疫染色
EMA（−）
CK（−）
S100（−）
HMB45（−）
ER（＋）
PgR （＋）


Vimentin（＋）
Desmin（＋）
SMA（−）
Caldesmon（−）
CD34（−）
MIC-II/CD99 （＋）
Bcl-2（＋）

 
 
Angiomyofibroblastoma（血管筋線維芽細胞腫）
・好発部位：外陰部
・好発年齢：閉経前の中年女性
・まれな疾患：英文症例報告は20件程度（最初の報告は1992年）
・良性の間葉系腫瘍
・腫瘍サイズは、5cm以下が多い

＊Masako Omori et al., Angiomyofibroblastoma of the Vulva :A Large Pedunculated Mass Formation, Acta Med. Okayama, 2006Vol. 60, No. 4, pp. 237-242
 

鑑別診断
●鑑別診断：
aggressive angiomyxoma, myxoma, mixoid lipoma, mixoid liposarcoma, and mixoid neural tumors
●確定診断には組織免疫染色が必要：
Angiomyofibroblastoma：Desmin・ER・PgR
Leiomyoma：Actins・Desmin・Caldesmon
Aggressive angiomyxoma：ER・PgR・Actins・CD34・Desmin
Cellular angiofibroma：CD34，Desmin（−/F）
Solitary fibrous tumor：CD34・CD99・Bcl-2

＊Hsing-Ho Lee, et al.VULVAR ANGIOMYOFIBROBLASTOMA, Taiwan J Obstet Gynecol ･ June 2008 ･ Vol 47 ･ No 2, p.220-221

 
 

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Moderator：北村　範子

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