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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第340回症例症例:呈示
第 340 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年11月22日]
症例8 60歳代 女性
子宮癌肉腫
uterine carcinosarcoma



 経過


経過

*血性・膿性帯下、圧痛は増悪・減少なく、終始変わらず
*膣分泌物+血培 → Clostridium perfringens
*子宮内膜細胞診 → 強い炎症反応

造影 9日目 造影

 

 Uterine Carcinosarcoma

・組織分類:Carcinosarcoma  , Grade 3 heterologous (横紋筋肉腫成分あり)
・局在:びまん型
・浸潤最深:筋層1/2を超える
・脈管侵襲:(+)
・頚管浸潤:(-)
・卵巣転移:(+)(右)

 

 


 Carcinosarcoma

・Mixed Epithelialmesenchymal Tumorsの1つで、上皮性成分は癌、非上皮性成分は肉腫。
 単一細胞起源(がん幹細胞上皮性細胞が間葉系細胞に変化ーmetaplastic carcinoma)。
・上皮性成分の多くは、endometrioid adenocarcinoma。
・非上皮性成分
 ➀Homologousー線維肉腫子宮間質肉腫、平滑筋肉腫
 ➁Heterologousー横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫
・子宮肉腫の中では最多で約半数、全子宮腫瘍の2%未満。
・骨盤内照射に既往と関係があると言われている。
・画像では、内膜を置換しポリープ状発育し、内膜腔を満たすような腫瘤。出血や壊死を起こし、T2WIでさまざまな信号強度を示す。
・Pointはポリープ状発育+急速に増大する

 

 Intrauterine Gas

・原因疾患:悪性腫瘍や良性腫瘍(leiomyoma)の感染・壊死、 膿瘍。
・Gas産生の原因 悪性腫瘍→ 感染性(clostridial infectionが多い)
    壊死組織のbacterial metabolism。
  Leiomyoma → submucosalが血流不足のため起こりやすい。


superinfected leiomyoma, sepsis/uterine cancer, Clostridium perfringens/superinfected dermoid/pyomyoma, bilateral UAE

 治療

【手術】子宮体癌に準じて
  ー子宮摘出+両側付属器摘出+骨盤および傍大動脈リンパ節郭清ー
【放射線】術後全骨盤に50-60Gy。
  ーT/U期術後照射にて、手術単独よりも有意に再発減少との報告ー
  ー局所再発は減少するが、照射野外の転移は制御できず全生存には寄与しないとの報告が多いー
【化学療法】T/U期から併用
Ifosphamid(IFM) + Cisplatin(CDDP)
Paclitaxel(PTX)+Carboplatin(CBDCA)

無増悪生存期間は、homologous 80.4%、heterologous 52.4%

*本例では、ATH+BSO後に、PTX+CBDCA(TC療法)

参考文献
・Gross BH, Jafri SZ, Glazer GM. Significance of intrauterine gas demonstrated by computed tomography. J Comput Assist Tomogr. 1983 Oct;7(5):842-5.



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Moderator: 猿谷 真二