| Churg-Strauss 症候群 Eosinophilic granulomatosis with polyangitis（EGPA）（Churg-Strauss syndrome） |
| 胸部画像所見のまとめ |
【胸部単純写真】
両側胸水貯留
びまん性粒状影・すりガラス影
【胸部CT】
びまん性すりガラス影（胸膜下優位、非区域性）・・・上下肺の優位性なし
小葉間隔壁肥厚
気管支血管周囲束肥厚
縦隔リンパ節腫大
両側胸水貯留
| 鑑別診断 |
・急性好酸球性肺炎
・薬剤性肺障害
・膠原病
・感染症（非定型肺炎、ウィルス性肺炎）
| その他の所見 |
【副鼻腔CT】
慢性副鼻腔炎
上顎洞内に高吸収の貯留物
【既往歴】
・難治性気管支喘息
・慢性副鼻腔炎
【現症】
・発熱（38℃台；来院時は36℃台）
・WBC 14900 /μL (Eos 34.0%),
IgG 2048 mg/dl, IgE 1800 IU/ml
| 気管支鏡検査 | 鼻粘膜生検 | |
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| [気管支肺胞洗浄液] 細胞数 1665/μl 好酸球 95％ [肺生検] ・ 肺胞腔、肺胞壁、動静脈壁に中等度〜高度の好酸球浸潤 ・壊死あり |
・多量の好酸球と慢性炎症細胞浸潤を伴う肉芽組織形成 |
最終診断
Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
（アレルギー性肉芽腫性血管炎/Churg-Strauss 症候群）
| Churg-Strauss syndrome (CSS) 診断基準（American College of Rheumatology 1990） |
1）喘息
2）末梢好酸球増多（10%以上）
3）単神経障害または多発神経炎
4）肺浸潤（一過性 or 移動性）
5）副鼻腔炎（allergic rhinitis）
6）血管外好酸球浸潤を伴う血管炎の病理組織
4項目以上で 感度 85%、特異度 99.7%
| ステロイド治療開始後経過 |
| Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis（アレルギー性肉芽腫性血管炎/ Churg-Strauss症候群） |
小・中型血管の壊死性血管炎
ANCA関連血管炎
・顕微鏡的多発血管炎：Microscopic polyangiitis （MPA）
・多発血管炎性肉芽腫：Granulomatosis with polyangiitis （GPA） = Wegener肉芽腫症
・Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis （EGPA）
・臨床的特徴：慢性副鼻腔炎、気管支喘息、著明な末梢血好酸球増多
・罹患率：詳細不明 0.24人／10万人
・好発年齢：30〜50歳代、明らかな性差なし
・病因：詳細不明（免疫学的異常が示唆される）
・病理組織像：好酸球浸潤、著明な壊死、好酸球性巨細胞性血管炎、間質血管周囲の壊死性肉芽腫
・ANCA陽性 13-60%
さまざまな臓器を侵す
・下気道： 気管支喘息（≥ 95%; 平均8-9年先行）、
肺病変 (50-70%; 浸潤影、胸水、結節、肺胞出血）
・皮膚（70％）：皮下結節、紫斑、紅斑
・上気道：アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ (60%)
・脳神経系：多発性単神経炎（≤ 75％）、脳梗塞、脳出血
・腎臓（27％）：糸球体腎炎
・消化器系：腹痛（59％）、下痢（33％）、消化管出血（18％）
・心血管系 (13-47%、主な死因)： 心筋梗塞、心内膜炎、心筋炎
ANCA（+）→ 腎臓・神経病変を有することが多い
ANCA（-）→ 心臓病変を有することが多い
| EGPAの胸部CT所見 |
多彩で、非特異的。10％に所見なし。
・小結節（63%）… 小葉中心性分布、空洞形成(-)
・気管支壁肥厚・拡張 (53%）
・すりガラス影 (53%）
・浸潤影（42%）… 一過性、斑状、非区域性
・小葉間隔壁肥厚（47%）
・胸水（10-50%）… 心筋症、好酸球性胸膜炎による
参考文献
・Jannette J.C. Arthritis&Rheumatism 65:1-11, 2013
・Choi YH et al. Chest. 2000;117:117-24
・Worthy SA et al AJR. 1998; 170: 297 – 300
・Kim YK et al. Eur Radiol 2007;17:3157–3165
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