長い歴史と伝統ある東京レントゲンカンファレンス(TRC)が2023年4月に記念すべき第400回を迎えました。2007年に第300回を数えてから16年間、毎回多くの熱意ある参加者に支えられ今日を迎えられたものと思います。また会の運営にご尽力いただいた歴代の世話人の先生方、事務局のスタッフ、TRCを設立当初からサポートいただいている共催のコニカミノルタジャパン株式会社の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
この度の400回を記念して、歴代の世話人の先生方から寄稿文をお寄せいただきました。ぜひご覧いただければと思います。
TRCは1972年頃に当時慶應義塾大学の教授であった西岡清春先生が中心となり、関東地区の放射線科医の教育や交流の場となるべく設立されました。設立当初の様子は第300回の記念寄稿文でも窺い知ることができます。黎明期であった放射線診断学をいかに発展させ、また放射線科医のレベルアップと地位向上を図るかを錚々たるメンバーの諸先輩方が真剣に考え実践してきた熱い思いがひしひしと伝わってきます。私自身はその後約20年経ってからの参加になりますが、TRCで発表するときはいつも緊張し、毎回参加するたびに刺激を受けたことを今でも鮮明に記憶しています。
400回を迎えるまでのこの約3年間は、コロナ禍のために実質的に開催できない状態が続きました。思えばTRC設立以来最大の危機といえたかもしれません。世話人の先生方と協議し、オンライン開催やハイブリッド開催も試行しました。オンライン開催ではTRCならではの臨場感を得ることができない代わりに、関東のみでなく日本全国から、さらには海外在住の日本人からの参加もあり好評を得るという副産物もありました。
単純写真からCT/MRIへ、フィルム診断からモニター診断へ、そしてIT技術を用いた遠隔診断やAIを取り入れた診断へ、時代とともに今後も放射線診断は大きな発展や変化が予測されます。TRCも設立当初からの熱い思いを忘れることなく、新たな技術や手法を取り入れながら時代の変化に柔軟に対応しつつさらに発展するよう、世話人一同尽力する所存です。引き続きご支援ご協力をいただきますようお願い申し上げます。